毛穴、ニキビ、ニキビ跡
毛穴とは
毛穴は皮脂を分泌する皮脂腺の出口となっているため、皮脂分泌の多い鼻、額、頬などは毛穴が目立ちやすい部位となります。毛穴の開く原因は、1)皮脂の過剰分泌、2)角栓の詰まり、3)たるみなどがあります。皮脂が過剰に分泌され、皮膚表面に古い角質が溜まり、角栓で毛穴が塞がれると毛穴を押し広げてしまいます。また肌がたるむとハリもなくなり、毛穴も目立つようになります。

ニキビとは
ニキビ(尋常性ざ瘡)には青春のシンボルといわれる「思春期ニキビ」と、20~30歳代から生じる「大人ニキビ」があります。
ニキビの原因
- 男性ホルモン
- 生活習慣(食生活、睡眠不足など)
- 毛穴の角化
- 皮脂の分泌亢進
- ニキビ菌の増加
思春期になると男女とも男性ホルモンの分泌が活発になり、その他にも食生活や睡眠不足などの不規則な生活習慣などの影響で、皮脂の分泌が盛んになります。毛包周辺の角層が厚くなり、毛穴が狭くなることで、皮脂が毛穴につまってしまい、アクネ菌が増殖すると面皰(コメド)が炎症を起こします。これがニキビの原因で、毛穴のつまり→毛包の皮脂貯留→炎症→毛包壁の破壊→瘢痕という経過をたどります。
ニキビは思春期にできやすく、成人すると自然によくなっていきます。思春期ニキビが青春のシンボルといわれるのはこのためです。また思春期以降の大人ニキビでは女性ホルモンと男性ホルモンのバランスの崩れや食生活、睡眠不足などの不規則な生活習慣、ストレスなどが原因とされます。

【初期ニキビ】
①微小面皰:毛穴の奥に皮脂がたまりはじめ、皮膚表面がベタベタした感じのニキビ一歩手前の状態。
②閉鎖面皰(白ニキビ):皮脂が毛穴の中に詰まって、白くブツブツとふくらんで見える状態。顔がザラザラする、ブツブツするという症状。
③開放面皰(黒ニキビ):酸化した古い皮脂と角質が毛穴の表面をふさいで、黒くブツブツとふくらんでいる状態。毛穴の汚れや黒ずみが気になるという症状。
【悪化ニキビ】
④紅色丘疹(赤ニキビ):増殖したアクネ菌が炎症を引き起こして赤く盛り上がっている状態。
⑤膿疱(黄ニキビ):さらに炎症が強くなり、赤ニキビの毛穴の頂点に黄色い膿がたまって大きく腫れて痛みを伴った状態。
⑥嚢腫・皮下膿瘍:毛包壁が破壊されて炎症が周囲に拡がり、皮下に膿がたまった袋ができた状態。その後、毛や角質などの異物が真皮に流出すると肉芽反応が起きて、瘢痕・ケロイドとなる。

治療としては、余分な皮脂による毛穴の詰まりを取り除く薬物治療、スキンケアで瘢痕を残さず今あるニキビを治し、新しいニキビをできないようにすることです。

ニキビ跡とは
ニキビ跡は、ニキビは治癒したものの炎症が残っていて、赤みや色素沈着がみられる状態のことです。炎症が強い場合には真皮の深くまで炎症が波及し、クレーターと呼ばれる陥凹性瘢痕となります。
ケミカルピーリングによるニキビ治療
ケミカルピーリングは、肌の炎症を抑え、ニキビを改善する効果が期待できます。角質などが取り除かれることで皮脂の分泌が正常化し、膿をもったニキビなどは自然に膿が排出されていきます。即効性があり治療直後から肌の状態が変わることが実感できます。ケミカルピーリングを継続することで肌質が変わり、新たなニキビが出てくるまでの期間が徐々に長くなっていきます。ニキビの治療回数としては症状の程度によりますが、5回ほどで効果がみられることが多くです。ニキビ跡に関してはケミカルピーリングのみでは改善を得ることは難しくレーザー治療との併用が効果的です。