奈良県香芝市の内科医療と美容医療のかかりつけ医
内科・呼吸器内科・美容皮膚科|ノアクリニック|NOA CLINIC

ニキビ、ニキビ跡

毛穴の開きの原因

  • 皮脂の過剰分泌
  • 角栓の詰まり
  • たるみ

毛穴は皮脂を分泌する皮脂腺の出口となっています。そのため皮脂分泌の多い鼻、額、頬などは毛穴が目立ちやすい部位となります。

毛穴の開きの原因は、皮脂が過剰に分泌され、皮膚表面に古い角質が溜まることで、毛穴が塞がれると毛穴を押し広げてしまいます。また肌がたるむとハリもなくなり、毛穴も目立つようになります。


【ニキビ:尋常性ざ瘡】

青春のシンボルといわれる「思春期ニキビ」と、20~30歳代から生じる「大人ニキビ」があります。

ニキビの原因

  1. 男性ホルモン、ホルモンバランスの乱れ
  2. 生活習慣(食生活、睡眠不足、ストレスなど)
  3. 毛穴の角化
  4. 皮脂の分泌亢進
  5. ニキビ菌(アクネ菌)の増加

思春期になると男女とも男性ホルモンの分泌が活発になり、その他にも食生活や睡眠不足などの不規則な生活習慣などの影響で皮脂の分泌が盛んになります。毛包周辺の角層が厚くなり、皮脂が毛穴につまることで、アクネ菌が増殖し炎症を起こします。これがニキビの原因で、毛穴のつまり→毛包の皮脂貯留→炎症→毛包壁の破壊→瘢痕という慢性の経過をたどります。

ニキビは思春期にできやすく、成人すると自然によくなっていきます。しかし近年では、ニキビが改善せず長く続く場合や、大人になってから初めてニキビができる場合もあります。大人ニキビでは女性ホルモンと男性ホルモンのバランスの崩れや食生活、睡眠不足などの不規則な生活習慣、ストレスなどが原因とされます。

ニキビはありふれた皮膚の病気ですが、顔面を中心に、面皰や紅色丘疹、膿疱などが次々と出現し、慢性に経過するため、①容貌に敏感な思春期の男女に対して心理的ストレスを与える、②瘢痕ができると治療がますます難しくなり生涯残る可能性があるため、できるだけ早期に軽症のうちから治療開始し、根気強く治療継続することが重要です。

【初期ニキビ】

①コメド(微小面皰)

毛穴の中に皮脂がたまりはじめた状態。皮膚表面がベタベタした感じの目に見えない毛穴の詰まり。

②白ニキビ(閉鎖面皰)

皮脂が毛穴の出口まで詰まって、白くブツブツとふくらんで見える状態。顔がザラザラする、ブツブツする。

③黒ニキビ(開放面皰)

酸化した古い皮脂と角質が毛穴の表面をふさいで、黒くブツブツとふくらんでいる状態。毛穴の汚れや黒ずみが気になる。

【悪化ニキビ】

④赤ニキビ(紅色丘疹)

増殖したアクネ菌が炎症を引き起こして赤く盛り上がっている状態。

⑤黄ニキビ(膿疱)

さらに炎症が強くなり、赤ニキビの毛穴の頂点に黄色い膿がたまって大きく腫れて痛みを伴った状態。

⑥嚢腫・皮下膿瘍

毛包壁が破壊されて炎症が周囲に拡がり、皮下に膿がたまった袋ができた状態。その後、毛や角質などの異物が真皮に流出すると肉芽反応が起きて、瘢痕・ケロイドとなる。


【保険診療によるニキビ治療】

保険診療では「できてしまったニキビ」を治すことが主な治療方針となります。余分な皮脂による毛穴の詰まりを取り除く薬物治療・スキンケアで瘢痕を残さずに今あるニキビを治し、新しいニキビをできないようにすることです。

ニキビ治療薬は、どれも副作用として使い始めから2週間程度は赤味、ヒリヒリ感、乾燥、皮むけが起きる可能性があります。使用する量や塗り方など医師の指示に従い、自己判断で外用を中断しないようにすることが大切です。治療をやめるとニキビが再発することが多いです。まずは3カ月を目標に治療継続することでニキビができにくい肌を目指します。

1.外用療法

①過酸化ベンゾイル

殺菌作用、抗酸化・角質剥離作用(ピーリング効果)があります。顔だけでなく背中など体のニキビも治療することができます。また妊婦、授乳中、12歳未満にも使用可能です。

②アダパレン

レチノイド(ビタミンA誘導体)による面靤改善作用と抗炎症作用があります。レチノイドのため妊婦、授乳中、12歳未満にも使用できません。また顔のみの使用となります。

③クリンダマイシン/過酸化ベンゾイル配合剤

クリンダマイシンはアクネ菌に対して抗菌作用・抗炎症作用、BPOは殺菌作用・角質剝離作用があるため、炎症性皮疹の改善に高い効果が期待できます。

④アダパレン/過酸化ベンゾイル配合剤

アダパレンはレチノイド様作用と抗炎症作用、BPOはアクネ菌に対して殺菌作用と角層剝離作用があるため、配合剤はそれぞれ単剤使用と比較して高い治療効果が期待できる一方で、副作用としては皮膚刺激症状の頻度がそれぞれ単剤より配合剤において高いため、まず単剤による治療から始めます。

⑤外用抗菌薬

外用抗菌薬(ゼビアックスローション、アクアチムクリームなど)は炎症性皮疹の改善に高い効果があります。薬剤耐性アクネ菌の増加が問題となっているため、使用にあたっては治療上必要な期間の使用にとどめることです。

2.内服療法

①内服抗菌薬

原則として、外用療法のみで治療不十分な場合に行われます。

②その他の補助療法

漢方薬(十味敗毒湯、清上防風湯など)、ビタミン剤などがあります。


「尋常性痤瘡治療ガイドライン2017」に基づいた治療方針

ニキビ病期を急性炎症期(3カ月以内)と維持期(3カ月以降)に分類しています。

急性炎症期:炎症性皮疹を主体として面皰を伴う時期で、炎症に対する積極的な治療が必要となります。急性炎症期の治療期間は3カ月を目安として、以降は維持期の治療へと移行します。

維持期:急性炎症期後に治療を中断することにより再発する場合があるため、維持期では改善した状態を維持し、ニキビができにくくするために治療を継続します。


【自由診療によるニキビ・ニキビ跡の治療】

保険診療では「できてしまったニキビ」を治すことが治療方針となり、それだけでは十分にニキビが改善せず、何度も繰り返すニキビや難治性のニキビの場合があります。

ニキビによる炎症により、炎症後紅斑(PIE)、炎症後色素沈着(PIH)、ニキビ跡・瘢痕となります。これらについては保険適応外の治療で改善できるかもしれません。自由診療ではニキビ治療を行いながら、美肌効果も得られます。ケミカルピーリング、エレクトロポレーション、トレチノイン外用・内服、顔脱毛、ピコフラクショナルレーザー治療などが効果的です。

①ケミカルピーリング(サリチル酸マクロゴールピーリング)

ケミカルピーリングは、肌の炎症を抑え、毛穴の詰まり・活動性ニキビを改善する効果があります。角質などが取り除かれることで皮脂の分泌が正常化し、膿をもったニキビなどは自然に膿が排出されていきます。

即効性があり治療直後から肌の状態が変わることが実感できます。ケミカルピーリングを継続することで肌質が変わり、新たなニキビが出てくるまでの期間が徐々に長くなっていきます。

ニキビの治療回数は症状の程度によりますが、2週に1回のピーリングを5回ほど行うと効果がみられることが多いです。ニキビ跡に関してはケミカルピーリングのみでは改善を得ることは難しくレーザー治療との併用が効果的です。

②エレクトロポレーション(メソナJ)

エレクトロポレーションは、微弱な電気によりニキビに有効な成分を肌の奥へ浸透させる治療です。皮脂の過剰分泌を抑えるビタミンCや炎症を抑えるトラネキサム酸などを導入することで、ニキビ治療に効果を発揮します。

ピーリングで角質を除去した直後にはより有効成分が浸透しやすくなるため、ケミカルピーリングと併用するのがおすすめです。

③トレチノイン外用薬

ビタミンAの一種で、ニキビに対する強力な治療法で重症ニキビの方にはおすすめです。トレチノインはビタミンA誘導体で難治性ニキビの治療薬として米国で認可されています。その後にシワなどの紫外線による皮膚の老化にも効果が認められアンチエイジング治療薬としても使用されています。現状、日本では認可されていませんので自費診療となります。トレチノインを使った後に皮がむけたり、皮膚の赤みやヒリヒリとした痛みなどの副作用が見られる場合があります。

④アゼライン酸外用薬

アゼライン酸は海外で約30年前から使用されています。ターンオーバーを正常化し毛穴のつまりを改善する外用薬です。主にニキビ治療や、酒さ治療の補助として使用されます。アダパレンや過酸化ベンゾイルが肌に合わなくて使えない方には、アゼライン酸をおすすめします。副作用は少なく、使用した際に若干のピリピリ感などをを感じることがありますが、赤くなったり、痛みが増強することが無ければ心配はありません。

⑤顔脱毛

顔の産毛が多い人ほどニキビができやすく、脱毛をすることで毛穴が引き締まり、ニキビ予防になります。ニキビができる主な原因は、過剰な皮脂分泌や汚れによって毛穴の出口が塞がることです。脱毛をおこなうと、レーザーが皮脂腺での過剰な皮脂分泌が抑えられ、毛穴が引き締まり汚れも入り込みにくくなります。ニキビのできにくい肌環境が期待できます。

⑥ピコフラクショナルレーザー

ニキビ跡や萎縮性瘢痕・陥凹性瘢痕、毛穴の引締めや肌質改善などを目的に微細なレーザーを点状に照射することで、最小な傷を修復しようとする自然治癒力によって、新しい肌に入れ替える美肌レーザー治療です。ニキビ跡の凸凹に対する画期的な治療法で、他の治療では得られない高い効果が期待できます。

特にディスカバリーピコプラスは、組織の蒸散がある治療(アブレイティブモード:AFLR)と組織の蒸散はなく熱変性と凝固が主となる治療(ノンアブレイティブモード:NAFLR)の両方が可能であるため、ニキビ跡・瘢痕治療や重度の毛穴治療は、ノンアブレイティブ+アブレイティブモードが良い適応となります。


ニキビ跡

ニキビを繰り返すことにより、ニキビは治癒したものの皮膚の炎症が残っていて、赤みや色素沈着がみられる状態のことです。炎症が強い場合には、コラーゲンの増生により生じる肥厚性瘢痕や、真皮の深くまで炎症が波及し「クレーター」と呼ばれる陥凹性瘢痕となります。皮膚やクレーターの状態から、いくつかのタイプに分けられています。

  1. アイスピック型:アイスピックのように細く、小さな穴のようなへこみができるもの
  2. ローリング型:直径が4~5mm以上で、緩やかで深いへこみができるもの
  3. ボックスカー型:垂直に陥没し、クレーターの底が平らなもの

ニキビ跡のクレーターの治療は難しく、完全に治すことは難しいとされています。陥凹性瘢痕にはフラクショナルレーザーが良い適応になると考えます。

フラクショナルレーザーは皮膚にごく微細なレーザーをフラクショナル(ドット)に照射することで、最小な傷を修復しようとする自然治癒力によって、新しい肌に入れ替える美肌レーザー治療です。

CO2フラクショナルレーザーに比べると、ピコフラクショナルレーザーは光熱作用が少なく、光機械的作用による新しいフラクショナル治療です。コラーゲンやエラスチンなどの美肌成分の生成を促し、ニキビ跡・毛穴の開きや小じわの改善が期待できます。

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