インフルエンザの治療と予防投与
ノアクリニック 内科・呼吸器内科・アレルギー科
こんにちは、ノアクリニックです。季節性インフルエンザの感染拡大が続いています。例年より流行が早く、これから冬場にさらに大きな感染の波が来る恐れがあるとされています。そのため早めのインフルエンザワクチン接種をお薦めしております。インフルエンザワクチンですが、感染を100%予防することはできませんが、感染率を減らしたり、発症しても症状を軽減したり、さらには重症化のリスクを減らすことができます。
インフルエンザワクチンの費用
13歳以上は1回、13歳未満は2回接種
1回目 3,800円
2回目 3,300円
インフルエンザ
1.概要
インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症です。
一般的な風邪とは異なり、高熱・全身倦怠感・筋肉痛などの全身症状が強いのが特徴です。
| インフルエンザ | 普通感冒 | |
| 発病 | 急激・流行性 | 緩徐・散発性 |
| 悪寒 | 強い | 軽い |
| 優勢症状 | 全身症状 | 上気道症状 |
| 発熱 | 高度;38℃以上が多い | 軽度;37℃台が多い |
| 全身の疼痛 | 強い | なし~軽い |
| 重病感 | あり | なし |
| 眼所見 | 結膜充血 | なし |
| 合併症 | 肺炎などの二次感染 | 少ない |
2.原因ウイルス
インフルエンザウイルスは主に3種類
| 型 | 特徴 |
|---|---|
| A型 | 流行の中心。亜型(H1N1、H3N2など)があり、大流行を起こす。 |
| B型 | 主に冬季に流行。 |
| C型 | 軽症で風邪に似た症状。流行は稀。 |
3.感染経路
- 飛沫感染:咳・くしゃみなどのしぶきによる感染
- 接触感染:手指や物品を介した感染
潜伏期間は1〜3日間、感染力は発症1日前から発症後約5〜7日間続きます。
4.主な症状
- 突然の発熱(38〜40℃)
- 頭痛、関節痛、筋肉痛
- 全身倦怠感
- 咽頭痛、咳、鼻水
- 小児では嘔吐・下痢・けいれんを伴うことも
5.診断
- 迅速抗原検査(発症12時間以降が推奨)
- 臨床症状・流行状況も診断の参考にします。
6.治療
抗インフルエンザ薬(発症から48時間以内が目安)
| 薬剤名 | 投与方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| オセルタミビル(タミフル) | 経口5日間 | 標準的。A/B型どちらにも有効。 |
| ラニナミビル(イナビル) | 吸入1回 | 1回で治療完了。 |
| バロキサビル(ゾフルーザ) | 経口1回 | 服用1回で済むが、耐性株報告あり。 |
対症療法(解熱剤、水分補給、休養)も重要です。
7.予防
ワクチン接種(最も有効)
- 毎年秋〜冬に接種(10〜12月が推奨)
- 約2週間後から効果発現、持続期間は約5か月
- 発症予防効果:約50〜60%、重症化予防効果:約80%
生活上の予防策
- マスク・手洗い・うがい
- 室内の換気・加湿
- 体調不良時の早期受診と休養
予防内服(曝露後予防)
- 抗ウイルス薬(例:イナビル、タミフルなど)を接触後48時間以内に投与
- ノアクリニックではイナビルを取り扱っております。
- 予防投与は自費診療で、医師の診察が必要なためご本人の受診が必要です。
- 入学試験や仕事でどうしても感染を避けたい場合、予定の7日前頃に使用するのが効果的です。
インフルエンザの予防内服(予防投与)は、インフルエンザウイルスへの感染を防ぐために抗インフルエンザ薬をあらかじめ服用する方法です(保険適用外)。
「どうしても今はインフルエンザにかかりたくない」という時に同居する家族がインフルエンザにかかってしまったら…ということありますよね。ご家族がインフルエンザにかかった方、大事な入学試験や仕事などが控えている方などインフルエンザ治療薬の予防投与をご検討ください。
使用される主な薬剤と投与方法
| 薬剤名 | 投与方法 | 予防投与期間 |
|---|---|---|
| オセルタミビル(タミフル) | 経口(カプセル・ドライシロップ) | 1日1回 7〜10日間 |
| ラニナミビル(イナビル) | 吸入(1回のみ) | 1回吸入で約10日間効果持続 |
| バロキサビル(ゾフルーザ) | 経口(1回のみ) | 1回内服で約10日間効果 |
注意点
- 予防内服はワクチン接種の代わりにはなりません。
- 感染発症率を約80〜90%減少させるとされていますが、完全に防げるわけではありません。
イナビル予防投薬の費用
【10歳以上】
イナビル20mg x 2個;診察料:2,200円 お薬代:7,260円(税込)
【10歳未満】
イナビル20mg x 1個(;診察料:2,200円 お薬代:3,630円(税込)