肥満症
奈良県香芝市 ノアクリニック 内科・呼吸器内科、予防医学、美容皮膚科
こんにちは、ノアクリニックです。今回は肥満症についてです。
肥満とは
脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI=体重(kg) / 身長(m) ²)≧25 のものです。
体重が増加し肥満になる理由は、エネルギーの消費量よりもカロリー摂取量が多いからです。
食欲の仕組み
エネルギーが不足すると脳の摂食中枢を刺激して食欲のスイッチをONにし、エネルギーを十分に摂食すると満腹中枢を刺激して食欲をOFFにする機能があります。このONとOFFの作用で食欲はコントロールされています。
食欲のブレーキがかからない理由
1.間食やデザートを我慢できない仕組み
エネルギー不足だけでなく、おいしい!という快感も摂食中枢を刺激します。おいしそうな食べ物を見るだけでも摂食中枢が刺激されます。この快楽的調節が強く働くと、食欲が抑えられず肥満になりやすくなります。
2.食欲を抑制するレプチン(ホルモン)
レプチンは食欲にブレーキをかけたり、脂肪を燃やしエネルギーの消費を促す働きがあります。レプチンが少なすぎたり、多すぎたりすると脳の感受性が低下して、食欲のブレーキがかからず食べ過ぎや肥満になります。

肥満症
BMIが25以上で、かつ健康障害や内臓脂肪蓄積がある場合に肥満と診断されます。さらにBMIが35以上は高度肥満という診断になります。
治療の基本は減量です。体重を減らすことが目的ではなく、減量によて肥満に合併する疾患を予防・改善することが目的となります。食事療法+運動療法+行動療法(生活習慣や食行動の修正・改善)を適正な目標を立てて減量していきます。また減量目標を達成した場合も、健康障害の状態をみながら目標を再設定して体調管理を続けることが大切です。
- 肥満症(25≦BMI<35) :減量目標 3~6ヵ月で現体重の3%以上
- 高度肥満症(35≦BMI) :減量目標 3~6ヵ月で現体重の5~10%
①食事療法
摂取カロリーを抑えた栄養バランスの良い食事を心がけます。1日の摂取借りろーを25Kcal×目標体重(kg)以下に抑えます。
②運動療法
運動は食事療法で減らした体重を維持する効果があります。週150分以上を目指して運動を継続します(1日30分以上の運動は週5日に相当)。
③行動療法
肥満の背景には、不規則な生活、早食い、朝食を抜くなどの生活リズムの乱れや食行動の問題、ストレスや睡眠不足が影響します。このような習慣が変わらなければ、減少に成功してもいずれリバウンドしてしまう可能性が高くなります。行動療法ではライフスタイルを改善していきます。

GLP-1ダイエット
ダイエットの成功の鍵は食事です。1日の総カロリーをセーブすることが重要でありすが、従来のダイエットは、自らの強い意思で食欲を抑え我慢するダイエットでした。
メディカルダイエットでは、食欲の抑制や満腹感の持続により、過食や間食を自然と制限することができるため、食事へのストレスを感じにくくダイエットが可能となります。
ダイエットは短期間に結果を出すことにこだわるよりも、適切なサポートのもとで計画的にある程度の時間をかけて徐々に体重を減らしながら、日常生活の食事量や食事内容を見直し、その食生活の変化に適応するようにしていくことが大切となります。まずGLP-1ダイエットを3-6ヵ月間を目安に治療継続することでダイエットを無理なく行います。目標体重まで減量できれば、リバウンドしにくい体質や生活習慣を継続するためにメンテナンスダイエットへ移行していきます。