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加熱式タバコとCOPD

奈良県香芝市 内科・呼吸器内科・アレルギー科、美容皮膚科、再生医療

こんにちは、ノアクリニックです。今回はIQOSなどの加熱式タバコについての話です。


1.慢性閉塞性肺疾患(COPD)とタバコ

COPDは、タバコ煙などの有害物質を長期に暴露することで、気道や肺の慢性的な炎症反応から肺気腫を発症します。

COPD患者の約90%には喫煙歴があり、COPDによる死亡率は、喫煙者では非喫煙者と比べて約10倍高いと報告されています。

従来の燃焼式タバコによる健康被害は周知されてきていて、タバコの喫煙率は年々減少傾向にあります。

2.加熱式タバコ

そのかわり近年では、健康被害の少ないと思われているタバコへのシフトとして、電子タバコや加熱式タバコが急速に普及してきています。

加熱式タバコとは、日本ではIQOSに代表されるタバコ葉の成分を加熱して吸引するもので、全タバコ使用率の約26%まで増加しています。

加熱式タバコで生じるエアロゾルは、従来の燃焼式タバコよりもニコチンやアセトアルデヒドなどの有害物質の含有が少ないため安全な製品との見解もあります。

がしかし、電子タバコと同様にプロピレングリコールとグリセロールが多く発生するため、安全性には疑問が残るとされています。

3.加熱式タバコの長期使用とCOPDについて

加熱式タバコの肺傷害に関しては、動物実験レベルでは肺気腫発生、炎症性サイトカインの上昇や肺血管傷害がみられたなどの報告があります。

主成分であるプロピレングリコールとグリセロールによる末梢気道上皮細胞の生存率の低下がみられ、肺気腫発症リスクが示唆されたとの報告もあります。

加熱式タバコの長期使用によるCOPD発症を含めた健康被害については、まだまだ歴史が浅いため加熱式タバコ長期使用の安全性が現時点では検証できておらず、近い将来に問題になることが懸念されています。

4.タバコ対策として

喫煙習慣の本質がニコチン依存であることから、禁煙補助薬の開発が進められてきていましたが禁煙外来での禁煙達成率は30%程度であり不十分です。

従来のタバコへの対策のひとつとして、その害を少なくしてタバコによる健康被害を減少させるという考え方から、加熱式タバコをはじめとした新型タバコへの切り替えを許容するかどうかという話題がありますが、加熱式タバコ長期使用の影響についてもまだまだ不明なことが多いのが現状です。ですので、しっかりと禁煙していくことが重要です。

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