頸動脈エコー検査について①;動脈硬化を早期発見
奈良県香芝市 ノアクリニック 内科・循環器・呼吸器内科 総合内科専門医
こんにちは、ノアクリニックです。今回は頸動脈エコーについて説明していきます。
動脈硬化とは
まずよく耳にする動脈硬化とは、名前の通りで動脈が硬くなることです。原因は生活習慣病である高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙、加齢などであり、血管に負担がかかることで動脈硬化が進行すると、血管の弾力性がなくなったり、血管の内側にプラークがたまって血管が狭くなったりします。
動脈硬化を放っておくと
そのプラークが突然破裂し血栓ができてしまい、血栓で血管が詰まってしまうと脳卒中(脳梗塞・脳出血)や心臓病(心筋梗塞・狭心症)など、重い病気を引き起こす恐れがあります。
健康寿命を延ばすために
そのようなことを未然に防ぐためには、動脈硬化の早期発見や進行具合を確認することができる頸動脈エコーという検査が有用です。頸動脈とは脳に血液を送り込む大血管です。この頸動脈における動脈硬化の状態、プラークの有無を調べることで、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高いかどうかがわかります。
頸動脈エコーガイドラインより
頸動脈エコーでわかること
1.動脈硬化の有無
頸動脈エコーで観察すると血管壁は3層になっています。このうち第1層と第2層を内中膜複合体といい、この厚さ(IMT)で動脈硬化の程度がわかります。頸動脈のIMTが1.1mmを超えると動脈硬化と診断され、同様に全身の動脈硬化の進行も進んでいると考えられます。
2.プラークの有無
頸動脈エコーで動脈硬化によって厚くなった血管壁やこびりついたプラーク(コレステロールや脂肪などの線維などの隆起)や血栓などを確認することができます。プラークの裂け目に血栓ができて血管を塞いでしまいます。プラークの大きさや形状、表面や内部の状態などを観察することができます。
3.現時点での血管の状態を知ることができる
血管の走行や蛇行の有無、狭窄の程度や血流なども計測することで現時点での血管の状態を評価することができます。
- 将来、脳梗塞や心筋梗塞になるリスクの評価
- 内服治療などを開始するタイミングの評価
- 日々の健康管理や予防として総合的な血管の評価
頸動脈エコーガイドラインより
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